ルーターを使用してインターネットゲームをする際に、ポート開放(ポート転送設定)が必要になる場合があります。
なかなか一般には耳慣れない言葉なので、意味や設定方法についてご存知ない方も多いかと思いますが、ポート開放をする際にもファイアウォールの設定を無効にしなければなりません。この記事では、ポート開放の意味と、設定方法について解説します。
▶目次
1、ポート開放とは
まず、ポート開放の概要について解説します。
グローバルIPアドレスとローカルIPアドレス
インターネット接続をする際に、PCはグローバルIPアドレスを取得して通信を行います。グローバルIPアドレスは、電話番号のようなもので、個々のPCを識別するために必要になるものです。インターネットに正しく接続されている場合には必ずPCに割り振られています。
ルーターを介してインターネット接続をする際にはグローバルIPアドレスはルーターに割り当てられます。その後、ルーターは接続している機器に対してローカルIPアドレスを発行します。電話機でいうところの、内線番号や直通番号のようなものです。
ポートとは
ポートとは、インターネットのデータ送受信をするための通り道を指します。つまり、グローバルIPアドレス(ウェブサーバーからルータまで)とローカルIPアドレス(ルーターから個別のPCまで)のインターネット通信網のことです。
通常、インターネット接続をする際には、ポートが確保されることによってページの閲覧ができます。
2、ポート開放の必要性と設定方法
ポート開放の必要性と設定方法について解説します。
ポート開放が必要になる理由
ルーターを使用してインターネット接続をする際、ルーターが個別のPCに対してローカルIPアドレスを割り振ればポートが確保されるのでインターネット通信が可能になります。ただし、一部のサイトやネットゲームなどをする際に、ファイアウォール機能がセキュリティを高めるためにポートを制限する場合があります。不正なアクセスを遮断するためのポートフィルタリング機能によるものです。
ポートの制限がかかった状態ではインターネット通信が遮断されてしまいますので、通信を確保するためにはポート開放をする必要があります。
ポート開放の手順
ポート開放を実施する手順は以下の通りです。
- PCのローカルIPアドレスを確認する
- IPアドレスを固定に変更する
- ファイアウォール機能のポート開放
- セキュリティソフトのファイアウォール機能の確認
ローカルIPアドレスの確認方法は、PCでコマンドプロンプトの画面を開いて、「ipconfig」と入力します。
IP(V4)アドレス・デフォルトゲートウェイ・サブネットマスクをメモします。
一般的にビジネスなどでルーターを使用する際に、IPアドレスが自動取得に設定されているケースが多いのですが、自動取得の場合には電源を立ち上げるごとにIPアドレスが変更になる可能性があるため、常にポートを開放しておくためにはIPアドレスを固定に変更しておく必要があります。
IPアドレスを固定するには、PCのコントロールパネル→ネットワークの状態とタスク→アダプターの設定と変更→インターネットのアイコンを右クリックしプロパティをクリック→確認したIPアドレス(V4)を入力、の順に設定を行います。
Windowsのファイアウォール機能の変更を行います。特定のローカルポートの「接続を許可する」を選択することで、使用したいサイトやソフトのポートが解放されます。
もし、PCの設定の他にセキュリティソフトでファイアウォール機能を設定している場合には、この設定を変更しなければならない場合があります。
基本的にはむやみにポートを開放しない
必要なソフトやサイトを利用する際にポートを開放しなければならない場面はあるかと思いますが、ポートを開放することによりセキュリティのレベルがやや落ちてしまうことも事実です。
必要以外ではポートの開放は行わないのが良いでしょう。
3、まとめ
この記事では、ポート開放の概要と設定方法について解説しました。
インターネットゲームなどをする際に、ポートの開放が必要になるケースがありますが、意味を理解するためにも設定を行う際にも、インターネットのグローバルIPアドレスの仕組みを把握する必要があるため、なじみのない方にはやや難しい内容だったかと思います。
平たく言えば、セキュリティを高めるために、Windowsやセキュリティソフトがあえてインターネットの通り道を制限している場合があるので、接続をできるようにするためにはその制限を解除しなければならない、ということになります。
手順に沿って進めれば、設定方法自体は難しいものではありませんので、この記事を参考にしていただければ幸いです。